日本ビットコイン産業株式会社
取締役メッセージ

ビットコインを「使えるもの」にするために

日本ビットコイン産業株式会社 取締役 岡田 淳

ビットコインとの出会い

私がビットコインの存在を知ったのは2013年頃でした。当時、「キプロス・ショック」と呼ばれる出来事をインターネットの記事で目にしました。銀行預金に負担が課され資産が目減りする中で、退避先としてビットコインが注目された出来事です。ただその頃の私は、ビットコインの技術的な仕組みや背景を理解していたわけではなく「世の中にはこういう新しい仕組みもあるのだな」という程度で、どこか自分とは距離のあるものとして捉えていました。

日常の違和感から始まったビットコイン

私がビットコインに関心を持つようになったのは、もっと生活に近いところがきっかけです。2018年頃から電子決済が普及し、スマートフォンひとつで支払いが完結することが当たり前になりました。その後、海外渡航が再びできるようになった頃、旅行のたびに現地通貨へ両替することに強い違和感を覚えるようになりました。加えて、海外でクレジットカードが突然使えなくなった経験もあり、国や事業者の判断ひとつで決済が止まる現実を実感しました。「検閲や制限を受けず、世界中で使える決済手段があればどれほど便利だろうか」そう考えるようになり、自然とビットコインに目が向きました。

私にとってのビットコイン

私にとってビットコインは、思想を語るための象徴でも、投資商品でもありません。生活の中で、必要なときに使える実用的な選択肢です。ビットコインは海外での支払いやオンラインサービスの利用など、不便さを感じる場面で「別の選択肢がある」ことを示してくれました。すべての場面での最適解ではありませんが、従来の仕組みだけに依存しなくてよいという安心感があります。またビットコインは、完成された答えというよりも、今も試行錯誤が続いている仕組みだと感じています。使われ方や周辺のサービスが積み重なる中で、「日常で自然に使える存在」へ近づけていける余地があることも魅力です。

「使える」を現実にするために

一方で、ビットコインは「使える」と言われながら日常で使える場面はまだ少なく、使いたい人と受け取りたい事業者の間には大きなハードルがあります。ウォレットの準備や価格変動への不安、会計や運用の難しさなど、実務上の障壁が多すぎると感じていました。だからこそ、ビットコインを特別なものではなく、誰にとっても自然に使える選択肢にする。そのための仕組みを形にしようと考え、株式会社カシェイを創業しました。そして今、カシェイは日本ビットコイン産業のグループに加わり、実装と普及を一体で進めています。

思想と現場を繋ぐという取締役としての役割

取締役へ就任することを決めたのは、役職そのものに価値を感じたからではありません。日本ビットコイン産業が目指すことに対し、外側から関わるのではなく、意思決定と責任を引き受ける立場で関与したいと考えたからです。日本ビットコイン産業にはビットコインの思想や歴史的背景に深い知見を持つメンバーが多くいます。一方で、それらの議論を実生活や具体的なユースケースにつなげていくには橋渡しが必要です。思想と現場、理想と現実のあいだをつなぎ続けることこそが、私の役割だと考えています。

日本ビットコイン産業で成し遂げたいこと

私が日本ビットコイン産業を通じて成し遂げたいことは、ビットコインを広めることでも、支持者を増やすことでもありません。ビットコインを「賛成か反対か」「使うか使わないか」の二択で語るのではなく、仕組みを理解したうえで冷静に判断できる状態を社会に残すことです。派手さはなくても、必要なときに確かに使える状態を日本の中に残すことが、日本ビットコイン産業としての役割であり、私が担う仕事の意義だと考えています。

岡田 淳

取締役

岡田 淳

名古屋市立大学大学院でデータ分析を活用した研究に取り組み、修士号を取得。医療機器エンジニアとしてキャリアをスタートし、Web制作会社を創業。海外旅行の際に感じた決済の不便さをきっかけにビットコインの可能性を実感し、2023年に株式会社カシェイを創業。2025年にグループイン。