今週もビットコイン関連で話題になったニュースを日本ビットコイン産業株式会社独自の目線でまとめます。コーヒーを片手にチェックしてください☕️
クラーケン、CEXとDeFiを組み合わせた利回り運用サービス「ビットコインボールト(Bitcoin Vault)」をローンチ
暗号資産取引所クラーケン(Kraken)は、長期保有者を対象とした新たな報酬獲得サービス「ビットコインボールト(Bitcoin Vault)」をローンチしました。
ユーザーが預け入れたビットコインは、自動的にラップド資産である「kBTC(Kraken Wrapped Bitcoin)」へと変換され、イーサリアムのレイヤー2ネットワーク「インク(Ink)」上の組み込みウォレットを経由してDeFiプロトコル(Aave、Morpho、Tydroなど)の貸付市場へ配分されます。これにより、借り入れたステーブルコインを用いた運用が行われ、発生した報酬がkBTCに再投資される自動複利運用が実施されます。
中央集権型取引所(CEX)が、自社のラップド資産やレイヤー2ネットワークという独自インフラを組み合わせ、Web3(DeFi)のレンディング市場へとシームレスに資産を橋渡しする動きが本格化しています。ビットコインをただ保有しているだけではなく、資本効率を最大限に高めたい長期ホルダーに対して、スマートコントラクトを介した新たなオンチェーン運用の選択肢を提供する事例として注目されます。
秘密鍵を持っていないにもかかわらずビットコインの休眠アドレスの法的所有権を裁判所に主張
ニューヨーク州最高裁判所において、「Noah Doe」と名乗る匿名の原告およびワイオミング州のLLC2社が、約380万BTCを保有する39,069の休眠ビットコインアドレスの所有権を求める異例の訴訟を提起しました。
原告は、対象アドレスの秘密鍵を一切保有していないにもかかわらず、ニューヨーク州の遺失物法(Article 7-B)を根拠に、これらを「遺失物」と見なして警察への届け出などの手続きを経て所有権が自身に帰属したと主張しています。対象アドレスには、サトシ・ナカモトのものとされる「Patoshi」パターンのアドレス(約109.6万BTC)や、2011年のMt. Goxハッキング盗難資金が含まれています。
暗号学的な秘密鍵のコントロール(プロトコルのルール)ではなく、現実世界の「遺失物法」という法律を適用してビットコインの法的所有権を乗っ取ろうとする初の試みです。たとえ勝訴しても原告がオンチェーンでコインを移動させることは不可能ですが、中央集権的な交換所やカストディアンに対して「権利の瑕疵(cloud on title)」を主張する材料になり得ます。
万が一法的所有権が認められた場合、真の所有者(秘密鍵の保有者)が取引所へ資産を動かそうとした際に凍結を余儀なくされ、身元開示を迫られるなど、ビットコインの匿名性や保有の安全性に対する懸念となり得ます。
米議員、ビットコイン準備金の目標を供給量の5%と言及 6ヶ月以内の法制化促す
共和党のニック・ベギッチ米下院議員が、政府保有のビットコインを戦略的準備資産として法制化する「アメリカン・リザーブ・モダナイゼーション法(ARMA)」を共同提出しました。同議員はFox Businessの独占取材に対し、戦略準備金の目標としてビットコイン(BTC)の総供給量の約5%相当を確保することを目指す考えを示しました。
この「5%」という目標数値は、米国が世界の金(ゴールド)埋蔵量に対して保有している割合と同水準であり、ビットコインを「21世紀における歴史的な金準備と同等の存在」として国家レベルで公式に位置づける大きな転換点を意味しています。
現在、共和党が上下両院を掌握していますが、この政治的優位性は2026年11月の中間選挙までの残り約6ヶ月間に限られています。この期間を逃すと法案が停滞するリスクがあるため、今まさに迅速な法制化が叫ばれています。
13億円相当のビットコインがバーンアドレスに突然送金、アダム・バックは「量子バウンティ」と表現
5件のトランザクションを通じて、合計107 BTCが秘密鍵の存在しない「バーンアドレス」へ突如送金され、事実上永久に市場から喪失しました。これを受けて、BlockstreamのCEOアダム・バック氏は、この事象を「偶発的な量子バウンティ(懸賞金)」と表現し、コミュニティ内で議論を呼んでいます。
現在の暗号技術ではバーンアドレスにあるビットコインは誰にも動かせませんが、将来的に十分な性能を持つ量子コンピュータが実現した場合、オンチェーンに露出している公開鍵から秘密鍵を理論上導出できる可能性があります。
グラスノードの最新分析によれば、現在流通するBTCの30.2%(約604万BTC)がすでに公開鍵をオンチェーンに露出させており、将来的な量子リスクにさらされています。今回のようにバーンアドレスへ蓄積されたBTCは、量子コンピュータの性能が脅威となった際の「最初の標的(懸賞金)」になり得ます。
このことは、ビットコインネットワークを保護するための「量子耐性アップグレード」の段階的導入や、古いアドレスの扱いに関する開発者間の議論が、もはや遠い未来の話ではなく、今から備えるべき緊急の課題であることを浮き彫りにしています。
ガイア、国内4台目となる暗号資産自動両替機「BTM」を大阪・なんばに設置
暗号資産交換業者のガイアが、大阪・なんばの「トラベルハブなんば」に、暗号資産と日本円を両替できる自動両替機「BTM」を設置し、国内4台目となるサービスを開始しました。
この自動両替機は、事前登録のない海外居住者であっても、スマートフォンとICチップ搭載の電子パスポート(e-Passport)を用いることで暗号資産を日本円に両替できる仕組みを備えています。
関西国際空港と直結するなんば駅近くという立地は、増加するインバウンド観光客の両替需要を取り込むうえで好条件です。
手数料は10%程度とされていますが、口座開設や事前登録が不要な両替・決済環境が国内に広がることで、外国人観光客が持つ暗号資産を国内での日常的な消費に手軽につなげられる仕組みが整いつつあります
Fold、ビットコイン報酬型クレカ「Fold Bitcoin Credit Card」の提供を開始
米国のFold Holdingsが、Visaで発行される新しいビットコイン報酬型クレジットカード「Fold Bitcoin Credit Card」を、ウェイトリストの対象メンバーに向けて限定的に提供開始(ロールアウト)しました。
このカードは、日常の買い物で基本1.5%、提携店での利用や特定の条件を組み合わせることで最大4%のビットコイン還元を受けられます。さらに、カードの利用額の支払いをビットコインで行うと、追加で0.5%の還元が得られる仕組みを導入しています。
独自のポイントシステムや流動性の低い独自トークンではなく、ビットコインそのものを消費活動によって貯めることができる、ビットコイン好きにとってはたまらないカードとなっています。
エルサルバドル、7日間で8BTCのビットコイン追加購入 保有量7662BTC超
エルサルバドルのビットコイン局が公表したデータにより、同国が直近の7日間で8 BTCを追加購入し、国家としての総保有量が7,662.37 BTCに達したことが確認されました。
エルサルバドルは、定期的にビットコインを積み立てる国家レベルでのドルコスト平均法(DCA)戦略を採用しており、毎日1 BTCを購入する基本方針を継続しています。同国は2025年1月に法定通貨としての受け入れ義務を撤廃したものの、政府による戦略的保有は継続しています。
エルサルバドルは国際通貨基金(IMF)との間で融資契約を締結しており、その条件にはビットコイン関連の公的エクスポージャーを制限する内容が含まれていました。しかし、ナジブ・ブケレ大統領はこれに屈せず、実質的なビットコインの蓄積戦略を断固として継続していることが今回のデータで改めて示されました。
国際金融機関からの外交的・財務的圧力と、国家の自律的な財務戦略としてのビットコイン保有がどのように対峙していくかを示す唯一無二の先行事例であり、他国が戦略的準備金への組み入れを検討する際の重要な試金石となっています。
編集者のあとがき
米国のFold Holdingsが、ビットコイン報酬型のクレジットカード「Fold Bitcoin Credit Card」を、ウェイトリストの対象メンバーに向けて限定的に提供開始しました。
このカードは、日常の買い物で基本1.5%、提携店での利用や特定の条件を組み合わせることで最大4%のビットコイン還元を受けられます。さらに、カードの利用額の支払いをビットコインで行うと、追加で0.5%の還元が得られる仕組みを導入しています。
Foldは「2026年に日本市場に参入したい」とメディア取材で語っており、個人的に非常に注目している会社・サービスです。Fold Bitcoin Credit Cardのデザインもシンプルで非常によきです。
