本文へスキップ
日本ビットコイン産業株式会社
NEWSに戻る
トピック

今月のビットコインニュースまとめ|2026.9

今月のビットコインニュースまとめ|2026.9

今月もビットコイン関連で話題になったニュースを日本ビットコイン産業株式会社独自の目線でまとめます。コーヒーを片手にチェックしてください☕️


米上院、暗号資産の市場構造法案「クラリティ法案」の審議入りを否決

米連邦議会上院は9月15日、暗号資産の市場構造を定める「クラリティ法案」について、審議入りを決める討論終結動議を採決しました。結果は賛成49、反対50、棄権1で、可決に必要な60票に届きませんでした。同法案は暗号資産を原則として商品と位置づけ、証券取引委員会と商品先物取引委員会の管轄を整理し、取引所や仲介業者、カストディ業者に登録や顧客資産の分別管理、資金洗浄対策を求める内容です。2025年7月に下院を294対134で通過していましたが、倫理条項をめぐる民主党側の懸念や銀行業界の反対が解けず、上院での前進は止まりました。

クラリティ法案は、米国でどの機関がどの暗号資産を監督するかを決める土台です。成立が遠のいたことで、取引所や決済事業者が米国内で新しいサービスを設計する際の不確実性は当面続きます。一方で、ビットコインを商品として扱う整理は実務上すでに定着しており、今回の頓挫が直ちにビットコイン決済の妨げになるわけではありません。日本では2026年7月に改正法が成立し、不公正取引規制などの整備が先に進んでいます。制度づくりの速度は国ごとに差が出ており、日本の事業者にとっては自国のルールを前提に組み立てる姿勢が現実的です。

参照URL: https://coinpost.jp/?p=737408 参照URL: https://sustainablejapan.jp/2026/09/21/usa-clarity-act/130749

ビットコインのサイドチェーン「リキッドネットワーク」から約4000BTCが流出

ビットコインのサイドチェーン、リキッドネットワークで、9月6日(日本時間7日)にフェデレーションのウォレットから約4000BTC(当時約3億2000万ドル相当)が引き出されました。原因は秘密鍵の盗難ではなく、基盤ソフト「Elements」の検証処理の不具合で、裏付けのないL-BTCが正規の出金処理を通ったとみられます。開発元のブロックストリームはブリッジノードを停止し、取引所にL-BTCの入出金停止を要請しました。実行者は「ホワイトハット」を名乗り、修正の確認後の9月8日に3400BTCを返還しましたが、約598.5BTCは実行者側に残っています。

ビットコイン本体のブロックチェーンや合意ルールに問題があったわけではなく、影響は周辺のサイドチェーンにとどまりました。ただ、ビットコインを別の環境に持ち出して使う仕組みでは、預け入れを支える運営主体やソフトウェアの実装が新たな弱点になることを示した事例です。ライトニングネットワークのようにビットコインそのものを二者間の契約で動かす仕組みと、資産を橋渡しして別の帳簿に写す仕組みは、信頼の置き方が異なります。決済インフラを組む側には、どこに信頼を預けているのかを利用者に説明できる設計が求められます。

参照URL: https://www.neweconomy.jp/posts/605598 参照URL: https://www.neweconomy.jp/posts/606059 参照URL: https://www.coindesk.com/markets/2026/09/08/white-hat-hackers-return-most-of-usd320m-bitcoin-taken-from-liquid-network

米ブロック、AIエージェント決済規格「x402」にビットコイン・ライトニングを実装

決済大手のブロックは9月24日、AIエージェント向けの決済規格「x402」にビットコインとライトニングネットワークによる支払い機能を追加し、規格を運営するx402財団に参加すると発表しました。x402は、HTTPのステータスコード「402 Payment Required」を使い、サーバー側がAPIやデジタルサービスの利用に対して支払いを求め、AIエージェントが自動で決済を完了できるようにするオープン規格です。財団にはAWSやグーグル、マスターカード、ビザ、コインベースなどが名を連ねています。同社はライトニングが即時・低コストで大量の少額決済に向くと説明しています。

AIエージェントが人の操作を待たずにデータやAPIを買う場面では、1件あたり数円以下の支払いが膨大な回数発生します。カード決済は1件ごとの固定費が重く、この用途には向きません。ライトニングは少額・即時・24時間動作という性質を持ち、通貨や国境の制約も受けにくいため、機械同士の支払いの土台として現実的な候補になります。ジャック・ドーシー氏が率いる大手がこの分野でライトニングを選んだことは、ビットコイン決済の使われ方が送金や店頭決済の先へ広がる兆しといえます。

参照URL: https://coinpost.jp/?p=739427

米ビットコイン現物ETF、週間23.9億ドルの純流入で約1年ぶりの高水準

米国のビットコイン現物ETFは9月21日から25日の週に合計23億8600万ドルの純流入を記録し、2025年10月以来、約1年ぶりの高い水準となりました。内訳はブラックロックのIBITが11億5800万ドルで全体の約5割、フィデリティのFBTCが7億200万ドルで、上位2本が週間流入の約8割を占めました。ETF全体の純資産総額は1084億2000万ドルで、ビットコインの時価総額に対する比率は6.43%です。上場来の累計純流入額は575億5000万ドルに達しました。

年前半は流出が続き、年初からの累計は7月初めに約55億5000万ドルのマイナスまで沈んでいましたが、9月の流入で約9億2600万ドルのプラスに転じました。ETFは機関投資家や年金がビットコインに触れる主な入口で、資金の出入りは制度側の受け止め方を映す指標として見られています。もっとも、ETFで持つビットコインは自分で送金したり支払いに使ったりはできません。決済としての利用と金融商品としての保有は別の層にあり、両方が並んで広がることがビットコインの定着につながります。

参照URL: https://coinpost.jp/?p=739538 参照URL: https://cointelegraph.com/markets/bitcoin-etf-billion-biggest-inflow-week-october-2025

金融庁、金融行政方針に「オンチェーン金融の社会実装」を明記

金融庁は9月15日に公表した2026事務年度の金融行政方針で、ブロックチェーン技術を基盤とする「オンチェーン金融」の社会実装を進める方針を明記しました。ステーブルコインやトークン化預金による決済、各種資産のトークン化などを念頭に、資金決済と証券決済の高度化を図るとしています。あわせて「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」を立ち上げ、技術・制度・監督にまたがる論点を横断的に検討します。海外送金の高度化も検討対象に挙がっており、検討結果は2027年初めごろにまとめられる見込みです。

方針の主語はステーブルコインやトークン化預金で、ビットコインが中心に据えられているわけではありません。ただ、既存の金融インフラにオンチェーンの技術をどこまで組み込めるかという問いを当局が正面から扱い始めたことは、決済事業者にとって大きな変化です。日本では2026年7月に改正法が成立し、暗号資産の不公正取引規制なども整備されました。ルールの土台が整うほど、銀行や事業会社がブロックチェーンを使った決済を検討しやすくなります。ライトニングネットワークのような仕組みが議論の対象に入るかが、来年に向けて見ておきたい点です。

参照URL: https://www.neweconomy.jp/posts/608398

米ステーキ・アンド・シェイク、ビットコイン決済導入後に既存店売上19%増

米国のハンバーガーチェーン、ステーキ・アンド・シェイクは9月上旬、フランチャイズ店の既存店売上高が直近四半期に19%増えたと明らかにしました。同社は2025年5月に店舗でライトニングネットワークを使ったビットコイン決済を導入しており、それ以降は2桁の既存店売上の伸びが続いていると説明しています。決済手数料についても、クレジットカード経由と比べて半分程度に下がったとしています。ただし、売上の伸びのうちどこまでがビットコイン決済によるものかを切り分けたデータは公表されていません。

飲食チェーンにとって決済手数料は利益を直接削る費用で、1%の差が店舗の採算を左右します。ライトニングは手数料が送金額にほぼ比例せず、少額決済でも負担が小さいため、客単価の低い業態と相性がよい仕組みです。同社はビットコインが業績の推進力になったと説明しており、店頭で使える体験そのものが集客につながった面もあるとみられます。日本でも小売や飲食の手数料負担は重く、決済の選択肢を増やす意味は小さくありません。効果を検証できる形で示す事例が増えることが、次の広がりの条件になります。

参照URL: https://bitcoinmagazine.com/news/steak-n-shake-says-sales-grew

Bitcoin Japan、初のビットコイン購入を決定 上限100万ドル

東証スタンダード上場のBitcoin Japan(旧堀田丸正)は9月18日、子会社を通じて初めてビットコインを購入すると発表しました。購入額は売買手数料を含めて100万ドル(約1億5500万円)が上限で、実務はケイマン諸島の完全子会社「BTC JPN Ltd.」が担います。原資は7月に発行した転換社債型新株予約権付社債で調達した15億円の一部です。同社はビットコインを1株当たりの本源的価値を高めるための長期的な戦略資産と位置づけ、レンディングやデリバティブを使った利回り創出も検討するとしています。保有量の最大化は目的としないとも説明しています。

社名をBitcoin Japanに変えた企業がこれまでビットコインを保有していなかった点は、日本の「ビットコイン財務」銘柄の実情を映しています。今回の100万ドルは先行する国内外の保有企業と比べればごく小さく、事業としての本格性は今後の積み増しと開示の質で問われます。日本の上場企業がビットコインを貸借やデリバティブの対象として扱う動きは、会計や税務、リスク管理の実務を押し広げる効果があります。ビットコインを持つ会社が増えること自体は、ビットコインを使うインフラが評価される土台にもなります。

参照URL: https://coinpost.jp/?p=738613 参照URL: https://www.neweconomy.jp/posts/609039

ライトニングの主要実装、資金が危険にさらされる脆弱性を相次いで修正

ライトニングネットワークの主要な実装で、9月に脆弱性の修正が相次ぎました。開発キットのLDKは9月9日にv0.2.6を公開し、悪意ある接続相手がスプライス時に手数料を過剰に配分して一部を自分の出力へ回せる問題と、再起動時にチャネル情報を読み込めなくなる問題を修正しました。Core Lightningは、失効済みのチャネル状態を相手が公開しても不正行為への罰則が働かない不具合に対応し、9月22日にv26.06.8を公開しています。開発陣は9月中旬、実験的機能を有効にしている運用者に即時の無効化を呼びかけました。いずれも実害の確認は報告されていません。

ライトニングはビットコインの上に二者間の契約を重ねる仕組みで、資金の安全は各ノードのソフトウェアが正しく振る舞うことに依存します。今回の一連の修正は、実装ごとに独立した検証が働き、被害が出る前に穴が埋まったことを示しています。一方で、ノードやウォレットを運用する側には、版を追って更新し続ける体制が欠かせないことも改めて分かります。決済の基盤として使うなら、機能の追加よりも更新の速さと運用の規律が価値を決めます。日本で決済を担う事業者にとっても、実装の動向を追い続けることが前提になります。

参照URL: https://cryptoslate.com/critical-bitcoin-lightning-bugs-exposed-nodes-to-fund-theft-and-restart-failure/ 参照URL: https://cryptoslate.com/core-lightning-revoked-channel-penalty-flaw/ 参照URL: https://www.cryptopolitan.com/core-lightning-node-experimental-features/

エチオピア、干ばつでビットコインマイナーへの送電を契約量の23%に削減

エチオピア電力公社は、国内のビットコインマイニング事業者への送電を契約量の23%まで削減しました。エルニーニョに伴う乾燥でダムへの流入量が少なくとも20%減り、発電の約95%を水力に頼る体制が圧迫されたためです。送電量は契約の75%、50%を経て段階的に引き下げられ、公社は家庭や製造業への供給を優先したと説明しています。マイニング事業者は前年度に公社の収入の35%を占め、国内発電量の3分の1近くを消費していました。公社は10月に貯水量と需給を再評価し、追加の削減や近隣国への輸出制限も検討するとしています。

エチオピアは余剰の水力を使える国としてマイニングの集積地になってきましたが、気象で出力が変わる電源に頼る限り、採掘は電力系統の調整弁として扱われます。世界のハッシュレートは特定地域の停止を他地域が吸収する形で成り立っており、今回の削減は分散の意味を確かめる出来事です。電力事情に応じて動かせる需要という性質は、日本でも再生可能エネルギーの出力制御と組み合わせる議論につながります。一方で、収入の35%をマイニングに依存していた公社の財政への影響も見過ごせません。

参照URL: https://crypto.news/ethiopia-cuts-power-to-bitcoin-miners-as-el-nino-strains-hydropower/

今月の総括

9月は、制度と技術の両面で足元を確かめる月になりました。米上院ではクラリティ法案の審議入りが賛成49で否決され、米国の市場構造づくりは足踏みしました。一方で日本の金融庁は金融行政方針にオンチェーン金融の社会実装を掲げ、検討の場を新たに設けます。資金の動きでは現物ETFへ週間23億8600万ドルが流入し、約1年ぶりの高水準となりました。

決済の分野では、ブロックがAIエージェント決済規格x402にライトニングを組み込み、米国の飲食チェーンは導入後の売上と手数料の変化を示しました。同時に、リキッドネットワークからの流出やライトニング各実装の脆弱性修正は、運用と更新の規律が問われることを示しています。10月は、エチオピア電力公社の需給再評価、x402での実装事例、金融庁のフォーラムの立ち上がり方に注目します。